残業が多い会社を辞めたいときの判断|何時間から危ない?20代の動き方
・「この残業は多すぎる?」→法律の上限(月45時間が原則)と比べる
・「辞める前に何を残す?」→タイムカードや給与明細が後で役に立つ
・「体がもう限界かも」→退職の判断より先に、受診と相談を
辞めるか残るか、10問で今の段階がわかります。転職すべきか診断
毎日終電、休日も出勤。「みんなやっているから」と言われると、自分の感覚がおかしいのか分からなくなります。
残業には法律で決まった上限があります。まず数字で比べて、そのうえで残るか辞めるかを決める手順をまとめました。
1. この残業は多すぎる?法律の上限と比べる
2. まず体調は大丈夫?つらいときは先に相談を
3. 辞める前に、記録を残しておく
4. 辞めると決めたら、どの順番で動く?
5. 次の会社で同じことにならないために
6. まとめ
この残業は多すぎる?法律の上限と比べる
会社が法定の労働時間を超えて働かせるには、労使で「36協定」を結んで届け出る必要があります。そのうえで、残業(時間外労働)には次の上限があります。
- 原則:月45時間・年360時間まで
- 特別な事情がある場合(特別条項)でも:年720時間以内、単月100時間未満、複数月の平均80時間以内(後の2つは休日労働を含む)。45時間を超えられるのは年6か月まで
建設業や自動車運転の業務などは令和6年4月に適用が始まった業種で、細かな扱いが違うことがあります。自分の会社の36協定で何時間まで残業できることになっているかは、総務や人事に聞いてみる方法もあります。
自分の残業時間を数えてみる
ここでいう残業は、法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えて働いた時間です。会社の定時が7時間なら、定時後の1時間は法律上の残業に入らないこともあります。
まず直近3か月の出退勤時刻を勤怠記録や手帳から拾い、1日8時間を超えた分を月ごとに足してみてください。休憩時間を除き、休日に出た日は別にメモしておくと、上の上限と比べやすくなります。
求人の「固定残業代◯時間分」がどれくらいの残業を前提にしているかは、残業代ざっくり計算で確かめられます。
まず体調は大丈夫?つらいときは先に相談を
眠れない、食欲がない、休日も仕事のことが頭から離れない。こうした状態が続いているなら、辞めるかどうかを考えるより先に、体を守ることを優先してください。
厚生労働省のポータルサイト「こころの耳」によると、時間外・休日労働が月80時間を超え、疲労の蓄積が認められる人は、本人が申し出れば会社は医師による面接指導を行うことになっています。社内の産業医や健康管理の窓口に「面接指導を受けたい」と伝えて構いません。
- 体や心の不調:かかりつけ医や心療内科などの医療機関を受診する
- 働き方の悩み:「こころの耳」の電話・SNS・メール相談
- 違法な残業・残業代の不払い:労働条件相談ほっとライン(0120-811-610、無料・匿名可。平日17〜22時、土日9〜21時)
判断する元気がないときに大きな決断をしないことも、大切な選択です。朝つらいときの対処は仕事に行きたくない朝の対処法にまとめています。
辞める前に、記録を残しておく
残業が多い職場を辞めるなら、在籍中にしか集められない記録があります。手元に残しておきましょう。
- タイムカードや勤怠システムの画面(スクリーンショットでも可)
- 給与明細(残業代がいくら払われたか)
- 出退勤の時刻を書いた自分のメモ、業務メールの送信時刻
失業保険の扱いが変わることがある
厚生労働省の判断基準では、離職の直前6か月間に「45時間超の残業が3か月連続」「100時間超が1か月」「2〜6か月の平均で80時間超」のいずれかがあって辞めた場合、特定受給資格者(会社都合に近い扱い)になり得ます。
特定受給資格者は、離職前1年間に雇用保険の加入期間が6か月以上あれば失業保険の対象になります(自己都合は原則2年間に12か月以上)。ただし該当するかはハローワークが資料で判断します。そのときに求められるのが、上のタイムカードや賃金台帳、給与明細です。
残業代が払われていないときも同じ
同じ判断基準では、賃金(退職手当を除く)の3分の1を超える額が支払日までに払われない月が2か月以上続いたことなどで辞めた場合も、特定受給資格者になり得るとされています。
残業代の不払いは、退職前でも後でも労働基準監督署や上のほっとラインに相談できます。どの月に何時間働き、いくら払われたかが分かる記録があると、話が早く進みます。
失業保険の全体の流れは失業保険の基本で確認できます。
自社商品辞めるか決める判断シートと切り出しの台本は、退職・転職スタートキット(note・1,480円)にまとめています
辞めると決めたら、どの順番で動く?
残るか辞めるかは、次の3つの質問で整理できます。
「様子を見る」と決めたときは、「3か月後の月末に残業時間をもう一度見る」のように期限を決めます。期限がないと、ずるずる続きます。迷いが大きい人は転職すべきか迷ったときの判断基準も参考にしてください。
できれば在職中に次を探す
残業が多いと時間が取れませんが、収入が途切れないぶん、焦って次を決めずに済みます。平日の時間の作り方は在職中の転職活動の進め方にまとめています。
体力的に両立が無理なら、先に辞める選択もあります。その場合は、失業保険が出るまでの生活費を先に見積もっておくと安心です(退職後の生活費の見積もり方)。
次の会社で同じことにならないために
転職先でも残業が多かった、という失敗は避けたいものです。応募前と内定後に、次の点を見てください。
- 応募前:厚生労働省「しょくばらぼ」で月平均の残業時間を見る(調べ方はこちら)
- 求人票:固定残業代が何時間分か、超えた分は別に払うと書いてあるか
- 面接・内定後:配属先の残業の実態を聞き、労働条件通知書で確かめる
給与の中身の見方は求人の年収を見るときの3つの確認点に詳しく書いています。
まとめ
- 残業の上限は原則月45時間。特別条項でも単月100時間未満・複数月平均80時間以内
- 体調に出ているなら、退職の判断より先に受診と相談を
- 辞める前に、タイムカード・給与明細などの記録を残す
- 減る見込みがなければ、在職中に次を探し、応募前に残業の実態を調べる
残るか辞めるか、自分がどの段階にいるのかを整理したい人は、転職すべきか診断で10問に答えてみてください。