転職で年収は上がる?20代が求人の年収を見るときの3つの確認点
・求人の「年収」は、中身を分けて見ないと比べられない
・確認するのは「固定残業代」「賞与」「手取り」の3点
・最後は内定後の書面で、数字を必ず確かめる
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「今より年収を上げたい」は、20代が転職を考える大きな理由の一つです。
ただ、求人に書かれた年収が高く見えても、入社後の毎月の手取りが思ったより増えないことがあります。この記事では、求人の年収を今の給料と正しく比べるための確認点を、順番に整理します。
1. 年収が上がるかは「比べ方」で決まる
2. 確認点1:固定残業代が含まれていないか
3. 確認点2:賞与の扱いはどうなっているか
4. 確認点3:手取りで比べるといくらか
5. 内定後は書面で確かめる
6. 年収だけで決めないために
7. まとめ
年収が上がるかは「比べ方」で決まる
求人の年収と今の年収を、数字のまま並べて比べるのはおすすめしません。中に含まれているものが、会社ごとに違うからです。
たとえば同じ「年収400万円」でも、残業代が別に出る会社と、一定時間分の残業代があらかじめ入っている会社では、働く時間あたりの給料が変わります。
まずは手元の源泉徴収票と、直近の給与明細を用意しておくと、このあとの確認がスムーズです。
確認点1:固定残業代が含まれていないか
固定残業代(みなし残業代)は、一定時間分の時間外労働などに対して、毎月定額で払われる割増賃金のことです。名前が「〇〇手当」でも、中身が残業代なら固定残業代にあたります。
厚生労働省・労働局・ハローワークの資料では、若者雇用促進法に基づく指針により、固定残業代を採用する会社は募集のときに次の3つを明示することとされています。
- 固定残業代を除いた基本給の額
- 固定残業代に関する労働時間数と金額などの計算方法
- 固定残業時間を超える時間外・休日・深夜労働には、割増賃金を追加で支払うこと
求人票でこの3つが読み取れないときは、応募前や面接で確認して問題ありません。聞きにくければ、転職エージェントを通して確認してもらう方法もあります。
見るべきは「基本給」と「何時間分か」
月給が今より高くても、その多くが固定残業代なら、残業しない月の基本的な給料は変わらないかもしれません。基本給は賞与や退職金の計算に使われることも多いので、月給の総額とは分けて見ておきましょう。
あわせて「何時間分の残業代か」も確認します。時間数が多いほど、その時間くらいの残業が前提の職場である可能性があります。
固定残業代が何時間分にあたるか、今の残業で足りているかの目安を出せます。残業代ざっくり計算
確認点2:賞与の扱いはどうなっているか
求人の年収には、賞与(ボーナス)が含まれていることが多くあります。ここで確かめたいのは次の3つです。
- 年収に賞与が入っているか:「月給×12か月+賞与」なのか、月給だけなのか
- 賞与の決まり方:「年2回」「業績による」など、何をもとに決まるか
- 入社1年目にも出るか:支給の対象期間によっては、初年度の賞与が少ないことがあります
年収の欄に幅がある場合(例:350万〜500万円)は、自分の経験だとどのあたりになりそうかを面接で聞いておくと、期待とのずれを防げます。
今の会社の年収と比べるときも、賞与を入れた年収どうし、または月給どうしで、そろえて比べてください。
確認点3:手取りで比べるといくらか
年収は税金や社会保険料が引かれる前の金額です。生活が楽になるかどうかは、実際に振り込まれる手取りで考えるほうが実感に近くなります。
年収が上がると、所得税や住民税、社会保険料も増えるので、年収の差がそのまま手取りの差になるわけではありません。また、住民税は前の年の所得をもとに計算され、会社員は6月から翌年5月の給料から引かれます。年収が上がった分の住民税は、翌年の6月以降に反映される点も覚えておきましょう。
今の年収と、求人の想定年収の両方を手取りに直して並べると、「上がる額」が具体的に見えます。
年収を入れると、手取りの目安がわかります。今の年収と求人の年収、2つ入れて比べてみてください。年収→手取り計算
内定後は書面で確かめる
求人票の数字は、あくまで募集時点のものです。最終的な条件は、内定後に受け取る書面で確認します。
労働基準法では、会社は雇い入れのときに、賃金の決め方・計算と支払いの方法・締め日と支払日などを、書面で明示することになっています。いわゆる労働条件通知書や雇用契約書です。
書面で見るポイント
| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| 基本給 | 求人票や面接で聞いた額と同じか |
| 固定残業代 | 時間数・金額と、超えた分の支払いが書かれているか |
| 手当 | 住宅・通勤など、どの手当がいくら付くか |
| 賞与 | あり・なし、決まり方の記載 |
| 就業場所・業務 | 今後変わる範囲(転勤や異動の可能性) |
2024年4月からは、求人を出すときにも「業務の変更の範囲」「就業場所の変更の範囲」などを明示することが加わりました。年収が上がっても、転勤の可能性が大きく変わるなら、生活全体で考える必要があります。
書面の内容が聞いていた話と違う場合は、承諾する前に会社へ確認しましょう。今の会社に退職を伝えるのは、条件に納得してからで遅くありません。
年収だけで決めないために
年収を上げることは、転職の立派な目的です。そのうえで、次の点も一緒に見ておくと、入社後の後悔を減らせます。
- 働く時間:年収が上がっても、残業が大きく増えれば時間あたりの給料は下がる
- 昇給の仕組み:入社時だけでなく、2年目以降どう上がるか
- 続けられる仕事か:厚生労働省の令和5年若年者雇用実態調査では、初めての会社を辞めた理由として「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」(28.5%)が「賃金の条件がよくなかった」(21.8%)より多く挙がっています
応募書類では、年収アップだけを志望動機にするより「何をして、どう評価されたいか」を書くほうが伝わります。書き方は職務経歴書の書き方(経験が浅い20代向け)にまとめています。
そもそも転職すべきか迷っている段階なら、20代が転職すべきか迷ったときの判断基準から読むのもおすすめです。
まとめ
- 求人の年収は、基本給・残業代・賞与・手当に分けて今の給料と比べる
- 固定残業代は「除いた基本給」「何時間分か」「超えた分の支払い」を確認
- 賞与が入っているか、初年度も出るかを確認する
- 手取りに直して比べ、最後は内定後の書面で数字を確かめる
年収のほかに、今の会社を離れるべきかどうかも含めて整理したい人は、転職すべきか診断で10問に答えてみてください。