失業保険の基本|受け取れる3つの条件と、離職票から振込までの流れ
・「自分はもらえる?」→働く意思・加入12か月・失業の状態の3つで決まる
・「いつ入る?」→自己都合なら待期7日+原則1か月のあと
・「いくら・何日?」→賃金日額の約50〜80%、自己都合で加入10年未満なら90日
伝え方が決まっている人は、退職届の下書きから。退職届メーカー
次の仕事が決まる前に辞めると、しばらく収入がなくなります。その間の生活を支えるのが、雇用保険の「基本手当」、いわゆる失業保険です。
ただ、辞めればすぐ入るお金ではありません。条件と、振込までにかかる時間を先に知っておくと、辞める時期やお金の計画が立てやすくなります。
1. そもそも失業保険とは?「失業の状態」の意味
2. 自分はもらえる?受け取れる3つの条件
3. いつ振り込まれる?離職票から初回振込までの流れ
4. いくら・何日もらえる?日額と給付日数の決まり方
5. ハローワークに持っていくもの
6. 損をしやすい3つの場面
7. まとめ
そもそも失業保険とは?「失業の状態」の意味
失業保険は、会社員のときに給料から引かれていた雇用保険から出るお金です。会社を辞めた人が、次の仕事を探す間に受け取れます。
ポイントは「仕事を探している人」のための給付だということです。ハローワークは「失業の状態」を、次のように説明しています。
そのため、しばらく休みたい、病気やけがですぐ働けない、結婚して家事に専念する、といった場合は、その間は受け取れません。
自分はもらえる?受け取れる3つの条件
受け取れるかは、次の3つで決まります。上から順に確かめてください。
加入期間の「1か月」の数え方
雇用保険に入っていた期間(被保険者期間)は、離職日から1か月ごとに区切って数えます。その1か月の中で、給料の支払いの対象になった日が11日以上、または働いた時間が80時間以上あれば「1か月」です。
自分の加入期間がわからないときは、離職票の内容をハローワークで確認してもらえます。
入社1年未満で辞めると、受け取れないことが多い
新卒で入って1年たたずに自己都合で辞めると、加入12か月の条件に届かないことがほとんどです。1年目の人が気をつけたい点は、入社1年目で辞めたいときに考えることで図にしています。
自社商品辞めるか決める判断シートと切り出しの台本は、退職・転職スタートキット(note・1,480円)にまとめています
いつ振り込まれる?離職票から初回振込までの流れ
手続きは、会社から届く離職票を持って、住んでいる地域を担当するハローワークに行くところから始まります。
自己都合退職の「給付制限」は原則1か月
正当な理由のない自己都合退職は、7日間の待期のあとにも支給されない期間(給付制限)があります。離職日が2025年(令和7年)4月1日以降なら、原則1か月です。
ただし、退職日からさかのぼって5年間に正当な理由のない自己都合退職を2回以上して受給資格の決定を受けている場合などは、3か月になります。
また、2025年4月1日以降に教育訓練給付の対象講座や公共職業訓練などを受け始めた場合、給付制限が解除されて受け取れることがあります。申し出の期限があるので、受講を考えているなら早めにハローワークへ相談してください。
加入期間と退職理由を選ぶと、もらえるか・いつからの目安が出ます。失業保険ざっくり計算
いくら・何日もらえる?日額と給付日数の決まり方
1日あたりの額(基本手当日額)
まず「賃金日額」を出します。離職前6か月に毎月決まって支払われた給料(額面。賞与は除く)の合計を、180で割った額です。
基本手当日額は、この賃金日額のおよそ50〜80%(60〜64歳は約45〜80%)です。給料が低い人ほど、率が高くなるしくみです。上限と下限の金額は毎年見直されるので、正確な額はハローワークで確認してください。
もらえる日数(所定給付日数)
日数は、辞めた理由と加入期間で決まります。20代に多いケースは次のとおりです。
- 自己都合で辞めた人:加入10年未満なら90日(10年以上20年未満は120日)
- 倒産・解雇などで辞めた30歳未満の人:加入5年未満なら90日、5年以上10年未満なら120日
注意したいのは、受け取れる期間が原則「離職した日の翌日から1年間」だということです。手続きが遅れて1年を過ぎると、日数が残っていても受け取れなくなります。離職票が届いたら早めに動きましょう。
ハローワークに持っていくもの
ハローワークの案内では、受給の手続きに次のものが必要です。
- 雇用保険被保険者離職票(-1、-2)
- マイナンバーが確認できるもの(マイナンバーカードなど)
- 本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)
- 写真2枚(縦3.0cm×横2.4cm。マイナンバーカードを見せれば省略可)
- 本人名義の預金通帳かキャッシュカード
手続きは平日8時30分〜17時15分で、求職の申込みに時間がかかるため16時前に行くよう案内されています。離職票の受け取り方や、健康保険・年金の切り替えは退職後の手続きに期限順でまとめています。
認定日までに「求職活動」を2回
失業の認定を受けるには、認定日と認定日の間に、原則2回以上の求職活動の実績が必要です(最初の認定日までの期間は1回)。給付制限がある人は、その期間と直後の期間を合わせて原則2回以上です。
何が実績になるかはハローワークの初回説明会で説明があります。迷ったら窓口で確認してください。
損をしやすい3つの場面
会社都合なのに「自己都合」にされている
退職をすすめられて辞めたのに、離職票の理由が自己都合になっていることがあります。理由によって給付制限や日数が変わるので、納得できなければ受給資格の決定のときにハローワークに相談してください。
体調を崩していて、すぐには働けない
病気やけがで引き続き30日以上働けないときは、受給期間を延長できます(延長できるのは最長3年)。延長しておけば、働ける状態になってから受け取れます。
体調がすぐれないときは、まず医療機関を受診してください。働けるかどうかの判断や手続きは、医師やハローワークの窓口と相談しながら進めると安心です。
在職中に動けば、失業期間そのものを短くできる
失業保険は生活の支えになりますが、満額でも給料より少なく、振込まで時間もかかります。辞める前に次を決めておくと、お金の心配を小さくできます。進め方は在職中の転職活動の進め方にまとめています。
辞めたあとに職業訓練で学び直したい人は、失業保険を受けられない場合の求職者支援制度も含めて、20代で未経験職種に転職する方法で紹介しています。
まとめ
- 失業保険は「働く意思と能力があるのに仕事がない人」のための給付
- 自己都合なら、離職前2年間に加入12か月以上が必要
- 自己都合は待期7日+原則1か月のあとから。最初の振込は1か月以上先
- 受け取れる期間は離職の翌日から原則1年。離職票が届いたら早めに手続き
まだ辞めるかどうか迷っている段階なら、転職すべきか診断で10問に答えて、今の状態を整理してみてください。