退職の引き止めの断り方|昇給・異動・後任なしと言われたときの返し方
・「どう返す?」→引き止めは4つの型。型がわかれば返し方が決まる
・「給料を上げるから」→辞めたい理由がそれで消えるかを2問で確かめる
・「辞めさせない」「損害賠償」→退職はできる。困ったら無料の相談先へ
伝え方が決まっている人は、退職届の下書きから。退職届メーカー
勇気を出して退職を伝えたのに、「もう少し考えて」「今辞められると困る」と引き止められる。断りきれずに、ずるずる在籍が延びてしまう人もいます。
引き止めには型があり、型ごとに返し方が決まっています。言われやすい4つの型と返し方、条件を出されたときに残るかを決める質問を図で整理します。
1. どう返す?引き止めの4つの型と返し方
2. 「給料を上げる」「異動させる」と言われたら?残るか決める2つの質問
3. 「後任が決まるまで」「繁忙期のあとに」と言われたら
4. 「みんなが困る」「育ててやったのに」と言われたら
5. 「辞めさせない」「損害賠償」と言われたら
6. 断るときに避けたい3つのこと
7. まとめ
どう返す?引き止めの4つの型と返し方
引き止めの言葉はさまざまでも、中身はおおむね次の4つに分けられます。まず、どの型かを見分けます。
どの型でも共通するのは、退職日と「辞める」という結論は動かさないことです。話し合ってよいのは、引き継ぎの進め方や最終出社日までの過ごし方です。
上司への最初の伝え方や、伝える順番は内定をもらってから退職を伝える順番にまとめています。
自社商品辞めるか決める判断シートと切り出しの台本は、退職・転職スタートキット(note・1,480円)にまとめています
「給料を上げる」「異動させる」と言われたら?残るか決める2つの質問
条件型の引き止めは、断るだけが正解ではありません。ただ、その場で返事をすると後悔しやすいので、次の2つの質問で決めます。
質問1:辞めたい理由は、その条件で消える?
辞めたい理由が「仕事内容」「働き方」「人間関係」なら、給料が上がっても理由は残ります。異動の提案なら、どの部署に・いつ・確実に移れるのかで判断が変わります。
質問2:その条件を書面でもらえる?
「来年は上げるつもり」のような口約束は、実現しないこともあります。賃金や仕事の内容は、会社が書面で明示する労働条件の一つです(茨城労働局)。残るなら、変わった条件を書面で受け取ってから決めます。
「後任が決まるまで」「繁忙期のあとに」と言われたら
時期型は、日付をずらす提案です。期間の定めのない雇用(正社員など)なら、民法では退職の申し入れから2週間で退職の効力が生じます。茨城労働局も、新しい人が見つかるまでいつまでも退職を許可しない、ということはできないと案内しています。
とはいえ、職場への配慮を見せると話は早く進みます。日付は変えずに、引き継ぎの中身で協力を申し出ます。
- 担当業務の一覧と手順書を、最終出社日の〇日前までに作る
- 取引先や関係部署の連絡先をまとめる
- 後任が決まっていなくても、上司に引き継げる形にしておく
有給を残したまま日付を後ろにずらされそうなときは、有給休暇を消化して退職する方法で最終出社日の決め方を確認してください。契約社員・パートなど期間の定めがある人は、契約途中で辞めたいときのルールが当てはまります。
「みんなが困る」「育ててやったのに」と言われたら
情に訴える引き止めは、言い返すほど話が長くなります。相手の言葉は受け止めて、感謝を伝えたうえで、結論だけを繰り返します。
同じ言葉を2〜3回繰り返すと、相手も「決まったことなんだ」と受け止めやすくなります。新しい理由を足す必要はありません。
「辞めさせない」「損害賠償」と言われたら
圧力型は、その場で言い返したり応じたりしないことが大切です。いつ・誰に・何と言われたかを、日付つきでメモしておきます。
「辞めさせない」「退職届は受け取らない」
正社員など期間の定めのない雇用なら、申し入れから2週間で退職の効力が生じる、というのが民法の定めです(茨城労働局)。受け取ってもらえないときの出し方は退職届と退職願の違いにまとめています。
「辞めたら損害賠償を請求する」
労働基準法16条は、労働契約の不履行について違約金を定めたり、損害賠償の額をあらかじめ決めたりする契約を禁止しています。「辞めたら〇万円払う」という約束は、この禁止にあたります。
ただし、実際に働く人の責任で生じた損害について賠償を求めること自体までは禁止されていない、とも案内されています(厚生労働省・労働局の資料)。具体的に請求すると言われたら、一人で判断せず相談先に聞いてください。
「離職票は出さない」
離職票は、退職者が希望すれば会社が交付しなければならない書類です。会社が手続きをしないときは、ハローワークに相談すると、本人からの請求で確認を受けられます(埼玉県 労働相談Q&A)。失業保険の流れは失業保険の基本にあります。
どこに相談する?
各地の労働局や労働基準監督署にある総合労働相談コーナーでは、労働問題の相談を無料・予約不要で、面談か電話で受け付けています。
自分で伝えるのがもう限界という人は、退職代行の選び方で、民間・労働組合・弁護士の違いを確認してから選んでください。
断るときに避けたい3つのこと
理由を細かく話しすぎる
理由を並べるほど、「それなら改善する」と一つずつ反論されます。理由は一言で十分です。
「考えます」と保留する
残るつもりがないのに保留すると、相手は説得の余地があると受け取ります。残る気がないなら、その場で「気持ちは変わりません」と伝えます。条件を検討したいときだけ、返事の期限を決めて持ち帰ります。
会社への不満をぶつける
不満を言うと、話し合いが言い争いになり、最終出社日まで気まずくなります。言いにくい本音の伝え方は退職を言い出せないときにできることも参考にしてください。
まとめ
- 引き止めは条件型・時期型・情の型・圧力型の4つ。退職日と結論は動かさない
- 条件を出されたら、「理由が消えるか」「書面でもらえるか」の2問で決める
- 「後任が決まるまで」には、日付は変えず引き継ぎの中身で協力する
- 「辞めさせない」「損害賠償」と言われたら、記録して総合労働相談コーナーへ
引き止められて「やっぱり残るべき?」と迷いが出てきた人は、転職すべきか診断で10問に答えて、気持ちを整理してみてください。