パート・契約社員が契約途中で辞めたいとき|2週間ルールが使える場合・使えない場合
・「2週間で辞められるはず」→契約に期間の定めがあるかで、ルールが変わる
・「期間の定めがあった」→合意・やむを得ない事由・1年経過の3つの道
・「後任が決まるまでと言われた」→話し合いの順番と、困ったときの相談先
伝え方が決まっている人は、退職届の下書きから。退職届メーカー
パートや契約社員で働いていて、契約の途中で辞めたくなった。「退職は2週間前に言えばいい」と聞いたけれど、上司には「契約期間が終わるまでは無理」と言われた。
どちらが正しいかは、呼び名(パート・契約社員)ではなく、契約に期間の定めがあるかどうかで決まります。順番に確かめていきましょう。
1. まず何を見る?契約書の「契約期間」欄
2. 期間の定めがあったら?辞められる3つの道
3. 「後任が決まるまで」と言われたら
4. 話し合いで辞めるには?伝える順番
5. 困ったときの相談先
6. まとめ
まず何を見る?契約書の「契約期間」欄
手元の雇用契約書か労働条件通知書を出して、「契約期間」の欄を見ます。書き方はおおむね次のどちらかです。
- 期間の定めなし:正社員と同じ「無期」の契約。パートでもこちらの人は多くいます
- 期間の定めあり:「2026年4月1日〜2027年3月31日」のように期間が書いてある「有期」の契約
見つからないときは、会社に「労働条件通知書の写しをください」と頼んでかまいません。労働基準法15条で、会社は採用時に賃金や労働時間などの労働条件を書面などで示すことになっています。
期間の定めがない(無期)なら:2週間で終わる
労働基準法には労働者からの退職の決まりがないため、民法が使われます。期間の定めのない契約では、辞める意思を伝えてから2週間で契約が終わります(民法627条1項)。
会社の同意は条件ではありません。引き継ぎを考えて早めに相談するのが現実的ですが、「後任が決まるまで」辞められないわけではありません。伝え方は退職を言い出せないときにできることにまとめています。
期間の定めがあったら?辞められる3つの道
有期契約は「この期間は働く」と約束した契約です。そのため原則は満了まで続き、2週間ルールはそのままでは使えません。ただし、次の3つの道があります。
① 会社と合意する
いちばん多いのがこの方法です。会社が「その日で終わりにしましょう」と合意すれば、期間の途中でも契約は終わります。福島県の労働相談Q&Aも、1年契約の1か月目で辞めたい例について「会社と合意できれば契約を解除できます」と答えています。
② やむを得ない事由がある
民法628条では、やむを得ない事由があれば直ちに契約を解除できます。福島県のQ&Aは例として、働き続けると体や命に危険がある、近い家族の介護が必要になった、家庭の事情が急に変わった、を挙げています。
なお同じ条文には、その事由が片方の過失で生じたときは、相手に損害を賠償する、という決まりもあります。自分の事情が当たるか迷うときは、下の相談先で確かめてから動くと安心です。
③ 1年を超える契約で、1年たっている
労働基準法の附則137条で、契約期間が1年を超える有期契約なら、初日から1年たった後はいつでも退職を申し出られます。理由は問われません。
ただし、一定の事業の完了まで、と期間を決めた契約や、高度な専門知識を持つ人・満60歳以上の人の契約は対象外です。1年契約(ちょうど1年)はこの決まりには当たりません。
もう1つ:最初の条件と違っていた
採用時に示された労働条件が実際と違う場合は、労働基準法15条2項で、契約を直ちに解除できます。期間の定めの有無は関係ありません。求人や通知書と、実際の時給・シフト・仕事内容を比べてみてください。
「後任が決まるまで」と言われたら
「後任が見つかるまでは辞められない」は、法律の決まりではありません。どう考えるかは、ここでも契約期間で分かれます。
- 無期の契約:伝えてから2週間で終わるので、後任の有無は関係しません。引き継ぎに協力する姿勢は見せつつ、退職日ははっきり伝えます
- 有期の契約:満了日が来れば、更新しないことで契約は終わります。満了前に辞めたいときは、上の3つの道のどれかで考えます
退職届を受け取ってもらえないときの出し方や書き方は、退職届と退職願の違い・書き方を見てください。
自社商品辞めるか決める判断シートと切り出しの台本は、退職・転職スタートキット(note・1,480円)にまとめています
話し合いで辞めるには?伝える順番
有期契約でいちばん現実的なのは①の合意です。相手が受け入れやすい順番で伝えると、話がまとまりやすくなります。
1. 満了日を確かめる:満了まで1〜2か月なら、満了で更新しない形にしたほうが早く、もめにくいこともあります。
2. 日と理由を短く伝える:「〇月〇日で終わりにしていただけないでしょうか」と、日付を入れて相談します。理由は1〜2文で十分です。
3. 引き継ぎを提案する:「それまでにマニュアルを作ります」「〇日までは今のシフトで入れます」など、会社の困りごとを減らす案を自分から出します。
4. 書面で残す:合意した退職日は、メールや合意書など形に残します。後で「聞いていない」とならないためです。
残っている有給休暇は、辞める前に使えます。日数の数え方は有給休暇を消化して退職する方法にあります。
困ったときの相談先
話し合いが進まない、やむを得ない事由に当たるかわからない、というときは一人で抱えないでください。
- 総合労働相談コーナー:各都道府県の労働局や労働基準監督署の中にあり、解雇・労働条件・いじめなど労働問題を幅広く扱います。相談は無料で、労働者も事業主も使えます(福岡労働局の案内)
- 都道府県の労働相談:福島県のように、自治体が労働相談の窓口やQ&Aを設けている所もあります。住んでいる都道府県名と「労働相談」で探せます
働き続けると体調が悪くなりそう、という場合は、退職の話より先に医療機関を受診してください。体調の問題は、②のやむを得ない事由を考えるときにも大切な事情になります。
自分で伝えるのがどうしても難しい人は、退職代行の選び方で、民間・労働組合・弁護士で何が違うかを先に確かめてください。
まとめ
- 2週間ルールが使えるかは、契約書の「契約期間」欄で決まる
- 期間の定めがなければ、伝えてから2週間で契約が終わる
- 期間の定めがあれば、合意・やむを得ない事由・1年経過(1年超の契約)の3つの道
- 条件が最初と違っていたら、期間に関係なく直ちに解除できる
- 話がこじれたら、総合労働相談コーナーへ(無料)
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