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退職代行の選び方|民間・労働組合・弁護士の違いと頼む前の確認

2026年10月21日公開

この記事でわかること
・「どこも同じ?」→運営元で、会社と交渉できるかが変わる
・「どれを選べば?」→交渉が要るかどうかで分かれる
・「頼んだら終わり?」→申し込む前と後に自分でやること

伝え方が決まっている人は、退職届の下書きから。退職届メーカー

上司に会うのが怖い、言い出しても取り合ってもらえない。そんなとき、退職代行を検索する人は少なくありません。

ただ、退職代行は運営元によってできることが違います。この記事では、違いと選び方、頼む前に確認したいことを順に整理します。

目次
1. 民間・労働組合・弁護士で何が違う?
2. どれを選べばいい?交渉が要るかで決める
3. そもそも自分で伝えられないか、一度だけ考える
4. 申し込む前に確認したい5つのこと
5. 頼んだあとに自分でやること
6. まとめ

民間・労働組合・弁護士で何が違う?

まず前提として、期間の定めのない雇用(正社員など)なら、民法627条により、退職の申し入れから2週間で雇用契約は終わるのが原則です。会社の許可は要りません。

退職代行は、この「退職の申し入れ」を本人の代わりに会社へ伝えるサービスです。違いが出るのは、会社から何か言われたときに話し合い(交渉)ができるかです。

民間企業 労働組合 弁護士 意思を伝える 交渉有給など 請求・裁判 できる できる できる できない 団体交渉として可 できる できない できない できる 差が出るのは「会社に何か言われたとき」

民間企業の運営:伝えるだけ

弁護士法72条は、弁護士でない者が報酬を得る目的で、法律事件について代理や和解などの法律事務を業として行うことを禁じています。

そのため民間企業の運営は、本人の意思を「伝える」ところまでと考えておくのが安全です。会社が「退職日をずらしてほしい」「有給は認めない」と返してきたとき、その話し合いを任せることはできません。

労働組合の運営:団体交渉ができる

労働組合には、憲法28条にもとづく団体交渉権があります。労働組合法では、会社が正当な理由なく団体交渉を拒むことは不当労働行為として禁じられています。

労働組合が運営するサービスは、利用者が組合に加入し、組合として退職日や有給消化について会社と話し合う形をとります。ただし裁判の代理は弁護士の仕事なので、できません。

弁護士の運営:交渉から請求・裁判まで

弁護士は、交渉に加えて、未払いの残業代の請求や、こじれたときの裁判まで代理できます。会社とのトラブルがすでにある場合に向いています。

どれを選べばいい?交渉が要るかで決める

選ぶ基準はシンプルで、「会社と話し合う必要がありそうか」です。迷ったら、交渉できる方を選んでおくと、途中で行き詰まりにくくなります。

未払い残業代・ハラスメントなど会社とのトラブルがある? あるない 弁護士 有給消化・退職日の話し合いが必要そう? 必要不要 労働組合か弁護士 民間も選択肢になる 迷ったら「交渉できる方」

有給休暇が残っている人は、使い切ってから辞めたいと考えることが多いはずです。有給の取り方そのものは有給休暇を消化して退職する方法にまとめています。

そもそも自分で伝えられないか、一度だけ考える

退職代行を使うこと自体は、悪いことではありません。ただ、転職活動への影響は知っておいた方がいい点です。

東京商工リサーチの企業調査(2026年4月)では、前職を退職代行で辞めた応募者について「採用しない」が26.0%、「採用に慎重になる」が49.3%でした。

面接で退職の経緯を聞かれたときに、落ち着いて説明できるかどうかが大事になります。答え方は面接で退職理由を聞かれたときの答え方を参考にしてください。

上司に直接言いづらいだけなら、伝え方の順番を決めておくと話しやすくなります。退職を言い出せないときにできることに、伝える4つの順番と引き止めへの返し方をまとめています。

一方で、上司が怖くて体が動かない、眠れない日が続くといった状態なら、無理に自分で伝えなくてかまいません。先に医療機関を受診するか、厚生労働省の「こころの耳」などの相談窓口に話してください。

自社商品辞めるか決める判断シートと切り出しの台本は、退職・転職スタートキット(note・1,480円)にまとめています

申し込む前に確認したい5つのこと

申し込みの前に、サイトの表示と自分の状況を照らし合わせます。

契約や返金でもめたときは、消費者ホットライン「188」で近くの消費生活センターにつながります。会社との労働問題そのものは、各地の総合労働相談コーナー(労働局)でも無料で相談できます。

頼んだあとに自分でやること

代行に頼んでも、自分で動く場面は残ります。

退職届を用意する

会社から退職届の提出を求められることがあります。郵送できるように、先に下書きしておくと安心です。書き方は退職届と退職願の違い・書き方にあります。

日付と名前を入れるだけで、退職届の下書きができます。退職届メーカー

会社から直接連絡が来たときの対応を決めておく

代行を頼んでも、会社から本人に電話やメッセージが来ることはあります。出るか出ないか、出るなら何を言うかを、申し込みの時点で担当者と決めておくと慌てません。

引き継ぎの資料を求められたときに備えて、担当していた業務の一覧やファイルの場所を、在職中に簡単なメモにしておくのもおすすめです。

貸与品を返し、私物を引き取る

社員証、パソコン、制服などは郵送で返すのが一般的です。私物の送り先も伝えておきます。

退職後の手続きを進める

次の会社がすぐに決まっていないなら、健康保険・年金・住民税の手続きが必要です。期限が14日・20日と短いものもあるので、退職後の手続き(健康保険・年金・住民税)で順番を確認してください。

失業保険がいつから・いくら入るかも先に見ておくと安心です。失業保険ざっくり計算

まとめ

まだ辞めるかどうか決めきれていない人は、転職すべきか診断で10問に答えて、今の状態を整理してみてください。

出典:大阪労働局「よくあるご質問(退職・解雇・雇止め)」(民法627条)、日本弁護士連合会「隣接士業・非弁活動・非弁提携対策」(弁護士法72条)、厚生労働省「労働組合」(労働三権・不当労働行為)、消費者庁「消費者ホットライン」、厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」、東京商工リサーチの企業向けアンケート(2026年4月調査)。2026年10月21日確認。