入社半年で辞めたいときの判断と動き方|試用期間・お金・次の面接
・半年でも、試用期間中でも、退職はできる
・ただし半年だと失業保険の条件を満たさないことが多い
・決め手は「理由を説明できるか」と「次を決めてから動けるか」
辞めるか残るか、10問で今の段階がわかります。転職すべきか診断
「入社してまだ半年。でも、もう辞めたい」。研修が終わって配属され、仕事の現実が見えてくるのがちょうどこの時期です。
この記事では、半年という時期ならではの注意点(試用期間・お金・次の面接)にしぼって、判断と動き方を整理します。
1. 半年で辞めたくなるのは、よくあること
2. 体調に出ているなら、判断より先に相談を
3. 半年でも、試用期間中でも退職はできる
4. 半年で辞める前に知っておきたいお金の話
5. 辞める・残るを決める3つの質問
6. 辞めると決めたら、この順番で動く
7. まとめ
半年で辞めたくなるのは、よくあること
厚生労働省が令和7年10月に公表した調査では、令和4年3月に大学を卒業して就職した人の33.8%が、3年以内に離職しています。
学歴別・規模別・業種別の数字と10年の推移は新卒の3年以内離職率まとめに表で整理しています。
労働政策研究・研修機構(JILPT)の紹介によると、このうち1年目の離職率は12.1%。大卒の8人に1人ほどが、入社1年目のうちに会社を離れている計算です。
研修中は見えなかった業務量や人間関係が、配属後の数か月で一気に見えてきます。「思っていたのと違う」と感じるのは、半年ごろに起きやすい自然な反応です。
体調に出ているなら、判断より先に相談を
眠れない、食欲がない、朝になると涙が出る、休日も仕事のことが頭から離れない。こうした状態が続いているなら、辞めるかどうかを考える前に、体を守ることを優先してください。
つらさが続くときは、早めに医療機関を受診しましょう。どこにかかればよいかわからない場合は、かかりつけ医や、会社の産業医・保健師に相談する方法もあります。この記事は医療的な判断をするものではありません。
話を聞いてほしいときは、厚生労働省の働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」で、電話・SNS・メールの相談窓口が案内されています。
パワハラや長時間労働など職場の問題がある場合は、都道府県労働局や労働基準監督署にある総合労働相談コーナーで、無料で相談できます。
半年でも、試用期間中でも退職はできる
多くの会社では、入社から3〜6か月ほどを試用期間にしています。「試用期間中に辞めるのは非常識では」と不安になる人もいますが、退職すること自体はできます。
茨城労働局の案内では、期間の定めのない雇用の場合、民法第627条により、会社の承諾がなくても退職の意思が伝わった日の翌日から2週間がたてば退職が成立するとされています。
正社員として期間の定めなく雇われているなら、試用期間中でも考え方は同じです。ただし同じ案内では、就業規則に「1か月前までに申し出る」などの定めがあり、それが著しく長くなければ、トラブルを避けるためにまず就業規則に沿って申し出たほうがよいとしています。
契約社員など期間の定めがある契約の場合は扱いが違うので、雇用契約書を確認し、迷ったら総合労働相談コーナーに相談してください。
上司に切り出すのが怖い人は、退職を言い出せないときにできることで伝え方の準備をまとめています。
半年で辞める前に知っておきたいお金の話
失業保険(基本手当)は、半年では原則もらえない
ハローワークの案内では、基本手当を受け取るには原則として、離職の日以前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算12か月以上必要です。
新卒で入社して半年で自己都合退職すると、この条件を満たさないことがほとんどです。会社の倒産・解雇などの「特定受給資格者」や、正当な理由のある自己都合退職などの「特定理由離職者」は、離職の日以前1年間に6か月以上で条件を満たす扱いがあります。自分がどれに当たるかは、ハローワークで確認してください。
なお、正当な理由のない自己都合退職で受給資格がある場合も、離職日が令和7年4月1日以降なら、7日間の待期のあとに原則1か月の給付制限があります(厚生労働省Q&A)。
健康保険は、自分で加入先を選ぶ
次の会社にすぐ入社しない場合は、国民健康保険に入るか、それまでの健康保険を「任意継続」するかを選びます。
協会けんぽの案内では、任意継続には資格を失う日の前日までに、継続して2か月以上の被保険者期間が必要で、申出書は資格を失った日から20日以内に出す必要があります。半年勤めていれば期間の条件は満たしますが、期限は短いので注意してください。会社の健康保険組合に入っている場合は、その組合の案内を確認しましょう。
何か月暮らせるかを計算しておく
家賃、保険料、年金、スマホ代など、収入がなくても出ていくお金を書き出し、手元の貯金で何か月暮らせるかを一度出しておきます。この数字があると、焦って次の会社を決めることを防げます。
辞める・残るを決める3つの質問
体調に大きな問題がなければ、次の3つを自分に聞いてみてください。
- 辞めたい理由は「会社」か「仕事内容」か:上司や職場環境なら、異動や転職で変わる可能性がある。職種そのものが合わないなら、職種を変える転職を考える
- あと3か月で変わる見込みはあるか:配属替えの予定、仕事に慣れる見込みなど。何も変わらないとわかっているなら、待つ意味は小さい
- 次の面接で、辞めた理由を1分で説明できるか:半年での退職は、必ず理由を聞かれます。説明できる理由があるかが大事です
3つ目に詰まる場合は、すぐに辞めるより、理由を言葉にするところから始めましょう。判断の基準をもっと知りたい人は20代が転職すべきか迷ったときの判断基準、1年目全体の整理は入社1年目で辞めたいときに考えることも参考にしてください。
辞めると決めたら、この順番で動く
- 辞めたい理由と、次に変えたいことをメモする:「何が合わなかったか」と「次はどうしたいか」をセットで書きます
- 在職中に転職活動を始める:半年での退職は「第二新卒」として見られることが多く、ポテンシャル重視の求人にも応募できます
- 面接の答えを準備する:短期離職の説明は、準備した人とそうでない人で差がつきます
- 内定が出てから退職を伝える:収入の空白を作らずに済みます
面接での伝え方は短期離職をした人の面接対策で、答えの組み立て方を例つきで解説しています。動き方の全体像は第二新卒の転職はいつ・どう動くにまとめています。
残ると決めた場合も、期限を決める
「もう少し続ける」と決めたなら、見直す日をカレンダーに入れておきましょう。期限があるだけで、毎日の「辞めたい」に振り回されにくくなります。その日になっても状況が変わらなければ、そのときに転職を具体的に考えれば大丈夫です。
まとめ
- 大卒の1年目離職率は12.1%。半年で辞めたくなるのは珍しくない
- 体調に出ているなら、判断より先に受診や相談を
- 半年でも試用期間中でも退職はできる。まずは就業規則を確認
- 半年では失業保険の条件を満たさないことが多い。次を決めてから辞めるのが安全
- 面接で理由を1分で説明できるかが、動くかどうかの目安になる
今の自分が「迷っている」のか「動くべき」なのかを整理したい人は、転職すべきか診断で10問に答えてみてください。